弁護士に相談するのは敷居が高い?アプリが進化している

弁護士に対し、「困ったことがあるけれども弁護士に相談するなんてとても敷居が高い」、「費用がいくらか分からないけれどもとにかく高そう」といったイメージを持っている人は少なくないでしょう。でも、社会で暮らしていく中で何かしらの問題や心配事に直面したり、自分が不利益を被っていると思ったりしたとき、法的な見解を知りたいなら今の時代携帯電話のアプリが利用できます。

「弁護士」、「裁判」のイメージ

日本でいう「弁護士」の職務内容やシステムは必ずしも他の国と同じというわけではありません。例えば、アメリカの場合日本でいう行政書士や司法書士といった名前の国家資格はなく、これらも「弁護士」の業務に含みます。

従って単純に「弁護士」の数を人口比でみることはできません。しかもアメリカでは州ごとで法律が違うため、弁護士の資格は州を決めて取り、その州内で活動することになります。とはいえ、実際の弁護士の数だけをみた場合、2016年で日本は3万7千人余り、2018年に初めて4万人に達したという状況に対し、アメリカは133万人余りです。

この数自体が確かにアメリカが訴訟大国と言われる要因を語っているでしょう。ですが、アメリカではそれだけ困った問題は法律の素人の意思を汲んだ専門家同士のやりとりに任せることがより身近だともいえるでしょう。そして、日本はといえば弁護士事務所に行って相談をすることはかなりな一大事、つまり弁護士が一般の人々にとってそれほど身近な存在ではない、敷居が高いというイメージが根強いようです。

その為に、弁護士をもっと身近な存在にしようという動きがあります。

実際以下で見るアプリでは相談は無料となっているので「どうして無料なの?」と心配する人がいるかもしれませんが、こういった無料相談を切り口に弁護士が少しでも身近な存在となり、実際の手続きや相談料を必要とするような案件が増えることは確かに期待できそうです。

また、無料相談を実施することに社会的な意義を感じるから、とコメントしている弁護士もいます。実際に問題が起きる前に法的な見解を確認しておきたいといったことでもアプリを使った相談を試してみる価値はありそうです。

「弁護士トーク」

いくつかのメディアでも紹介されているアプリです。無料チャットで気軽に相談してみましょうというシステムです。まずは、相談者の名前とメールアドレスの登録が必要です。これは、いわゆる紛争の相手方と弁護士がバッティングするのを防ぐ(利益相反)必要性からです。

それから、いくつかの問診に答えて相談カルテができあがります。この相談カルテは審査を通った本物の弁護士しか閲覧できないのでプライバシーに関しては安心だということです。その後、最大で3人の弁護士から回答が送られてきて、さらに相談を続けたい弁護士とチャットでやりとりをするという運びになっています。

携帯電話を使い慣れている人であれば手続き的には難しいことはありませんね。また、バージョンアップした機能として弁護士費用が発生する内容に関してアプリ内でクレジットカードによる支払いができるようになりました。

この「弁護士トーク」の口コミをみてみますと、ある2つのサイトで5段階評価のアンケート結果で一番多いのが大満足の5、2番目に多いのが最低の1です。

大満足、評価5を挙げた人たちのコメントでは質問したら迅速にしかも複数の回答があり、解決方法や意見が聞けてとても安心したといった趣旨のものが多数あります。逆に、不満な理由としては回答に時間がかかったり回答がなかったりしたことが挙げられています。

また、相談内容としては離婚や相続関係の金銭トラブルから交通事故の交渉トラブルまで多岐に渡っているだけでなく、「相談カテゴリ」もあらゆる問題を受け付けているようです。相談の内容や提供した情報によって満足のいく結果が得られなかった人は確かにいるようですが、その辺は無料アプリ、無料相談の限界もあるかもしれません。

一弁護士事務所がLineで運営

前身のアトム東京法律事務所の創立が2008年というアトム法律事務所(本社は東京都千代田区永田町)は事務所のLINEアカウントを友だちに登録することで無料相談できるシステムを運営しています。2017年10月からは交通事故と刑事事件の被疑者と被告人側に関しての案件に限定しています。

多少減少したとはいえまだまだ多い日本の交通事故の件数を考えると困った案件をどの弁護士事務所に頼むかのきっかけとして無料相談は非常に大きいでしょう。アトム法律事務所は関東の他にも大阪や京都そして福岡等にも事務所があり、弁護士18名をかかえる団体です。

2017年より相談案件を限定したのは相談が殺到したからかもしれません。あるサイトで「できるだけ多くの人に回答できるよう」という理由から、無料相談は1つの案件につき最大10往復程度までを上限にしていると案内があります。

無料相談という性格柄何らかの制限を設けるのはやむをえないでしょう。直接合ってあれこれ話すわけではないことを考えると、相談する側もできるだけ詳しく、要領を得た文章で回答がされやすいように心がける必要はあるでしょう。

こういった無料相談をする際は、(恐らく無料相談だけに限らないでしょうが)弁護士が的確なコメントをする為には相談者が「包み隠さず情報や状況を説明する」ことが必要なことはよく案内されています。

県の弁護士会がLINEを利用した相談受付

弁護士をより身近な存在にしようという動きはその他にも複数あります。大分県の弁護士会は2018年夏から若者向けにLINEを利用した相談の受付を始めました。これまでも電話による相談は受け付けていたそうですが、現代の若者に一番身近なのはSNSだということから今回の試みを始めました。

夏休みに入る前に県内の小中高校に相談に必要なQRコードやIDを案内しました。この時期に情報を広めたのは、若者の自殺者の数が長期の休みの前後に集中しているという内閣府の調査に基づいています。

→弁護士の無料電話相談サービス活用のメリットと注意点

弁護士と一般の人たちの関係

20年程前はワープロが主流だったのがパソコンに取って代わり、そして今や携帯電話は日本の多くの人にとって日常生活に欠かせない道具です。この携帯電話のアプリを使って弁護士が一般の人たちにより身近な存在になり、日常生活に起きる困った問題を解決するのに一役買える機会が増えれば弁護士と一般の人たち双方にとって有益なことでしょう。

アプリを使って社会人や法人だけでなく、若者へのコンタクトを試みる法曹界などの信頼できる団体が増えることで、弁護士を身近に感じる若者が増えてくれば今後弁護士の数の増加にもつながる可能性もあります。インターネット上の種々のトラブルや薬物関係等々常に新タイプの問題に対する法整備が求められる状況を見ると、まだまだ弁護士の数が増える余地はありそうです。